2人の少女と鍵の話
子供の頃、鍵が欲しい鍵が欲しいとねだっていた。
その度に「うちはお母さんが家にいるし、第一にあんたに鍵を持たせるのが不安!絶対に失くすでしょ?鍵は大事なものなんたから!」
そう言われるのが関の山だった。
共働きの幼なじみが首から鍵をかけていたのが羨ましくて、何度もアタックしたがダメだった。
そんな鍵を欲しがっていた少女の願いは不本意な形で叶うことになった。
母が入院した。
仕事を終えて病院に行き家に帰る。父親の生活リズムが変わり、少女が先に家に帰るようになったので、少女は鍵を手に入れた。
あんなに欲しがっていた鍵なのに
手に入れた時は全く嬉しくなかった。
手に入れた鍵で開いた扉の先は真っ暗で誰もいない部屋だった。
それから5年経ち、少女は高校を卒業した。
もう選挙権ある大人になった彼女は、再び鍵を手に入れた。
ちょっと錆びた色で、四つのハートの形をした持ち手に、「NEWS」と書かれたキーウェイ
招待状と共に手に入れた時、胸が躍った。
鍵をシリンダーに差し込み、回し扉を開くと大好きな人達がいた。
きっと少女が求めていたのはこれだった。
NEVERLANDに迷い込んだ異国の少女に自分を重ね、大人になった少女はNEVERLANDの旅へ出発した。
ながーいポエムにお付き合い頂きありがとうございます(笑)
鍵を手にした時のあれこれを覚えておきたくて書き記しました。鍵の思い出をNEWSで上書き出来たのが嬉しかったです。